今週の注目選手にも入れましたが、今回のウィスリング・ストレイツがあるウィスコンシン州の出身選手が2名います。スティーブ・ストリッカーとジェリー・ケリー。共に43歳、ジュニア時代からのライバル、マディソン在住。長男長女の誕生日は2週間違いの同じ年。性格は真逆、でも大の仲良し。
どちらかが-いや、両方が-優勝争いに絡んできたら、それはそれでこの大会の素晴らしいストーリーになると思います。
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photo: naplesnews.com (ケリーとストリッカー(手前)のプレーには注目したい)
世界No.4のストリッカーとNo.101のケリー。ストリッカーはどちらかというと物静かで多くを語らず黙々とプレーするタイプ。ケリーは元アイスホッケー選手ということもあり(大学はアイスホッケーの名門ハートフォード大)、表現力が豊かで感情を露にする選手。
「ジェリーが言うことは話半分くらいで聞いてるのがちょうどいいくらいだし、やらせておけばいいんだよね」
とストリッカー。まるでトムとジェリー。
一見、絶対に釣り合わないこの2人ですが、同郷以上の絆で繋がれています。今となっては世界トップの座目前まで来ているストリッカーですが、2003年から3年間はツアーカードさえ持っていなかった選手。その頃、精神的な支えになったのがケリー。会場で会った時や下部ツアーで頑張っている時は電話で励まし続け、2006年にツアーカードを再度獲得、限られた出場試合数で賞金ランク34位に入り「カムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」賞を受賞。翌年、FedEx Cupプレーオフの初年度には初戦のザ・バークレイズで6年ぶりの優勝。2年連続で「カムバック・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、昨年3勝、今年は既に2勝を挙げています。
今週の全米プロ選手権を優勝すれば、世界No.1になるところまできているのです。元巨人の上原ではないですが、正に「雑草魂」。
反対にケリーは順風満帆なプロ生活を送り、常に上位にランクインするも勝利からは見放されていました。2002年を最後になかなか勝てないケリー。2006年から平均パット数がツアーで106位→121位→156位と年々悪化していき、ついに2008年末、ペアで出場したメリルリンチ・シュートアウトでツアー屈指のパットの名手でもあるストリッカーに助けを求めたのです。
「いつかは盗んでやろうかと思っていた。・・・と言っても彼を真似するのが上手くなっただけなんだけどね」
とケリー。翌年の2009年、チューリッヒ・クラシックで7年ぶりの勝利。平均パット数も約0.05下がりツアーの29位にまで上達したのです。
切磋琢磨してきた2人はウィスコンシン州でのゴルフの発展に精力を傾けてきました。USバンク選手権inミルウォーキーの前身「グレーター・ミルウォーキー・オープン」をケリーは「一番デカいメジャー」と呼ぶほど地元で開催される大会に誇りを持っていました。昨年の開催を最後にツアーの日程から姿を消してしまったUSバンク選手権を何とか継続させようと、自らスポンサー探しの営業活動を行っていた2人。母体は違えど、地元で開催される今回の全米プロ選手権も
「メジャーではなくスーパーメジャー」
とケリーは意気込んでいます。
エリート校出身でもなく、ゴルフ文化が発達しているフロリダやカリフォルニアでもなく、「チーズヘッド」しかいないウィスコンシン州から出てきたストリッカーとケリー。練習ラウンドから地元ファンの熱気は伝わっているようで、
「彼ら(ギャラリー)は僕らをいつも支えてきてくれていた、そして今週もそれは変わらない。『これがサンデーの最終組だぞ』と声を何度も聞いた」
とケリーも気合いが入っているようです。
最終日、最終組、そんなドラマが待っていたら、それは見ごたえのあるメジャーになりますね。
ストリッカーが優勝候補の一人に挙げられていますが、やっぱりトムとジェリーのように、2人一緒がお似合いですから。
